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万城目学『八月の御所グラウンド』レビュー|京都が舞台だからこそ描ける青春物語
『八月の御所グラウンド』は、京都という土地の空気や季節感を、そのまま物語に閉じ込めたような1冊です。 万城目学らしい、少し不思議で軽やかな語り口のなかに、ふっと胸に残る切なさや温かさがにじみます。京都の歴史や人のつながり、そして思わず笑っ... -
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白蔵盈太『桶狭間で死ぬ義元』レビュー|今川義元のイメージが変わる歴史小説
「桶狭間の戦いで敗れた武将」――そんな「やられ役」のイメージで語られがちな今川義元。しかし、本当に彼は凡庸な人物だったのでしょうか。 『桶狭間で死ぬ義元』は、名将と呼ばれるまでに至った義元の歩みと、その最期に至るまでの葛藤を丁寧に描いた歴史... -
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原田マハ『総理の夫』レビュー|政治小説が苦手でも読みやすいヒューマンドラマ
『総理の夫』は、「政治小説は少し難しそう」と感じている人にこそ手に取ってほしい1冊です。 初の女性総理大臣誕生という大きな出来事を描きながらも、物語の中心にあるのは人と人との関係性。政治の世界を背景にしつつ、夫婦の距離や想いが丁寧に描かれ... -
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宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』レビュー|変わらず我が道を行く成瀬に元気をもらう
『成瀬は信じた道をいく』は、「成瀬は天下を取りにいく」で強烈な印象を残した成瀬あかりの、その後を描くシリーズ第2作です。 相変わらず周囲をざわつかせながらも、まったくブレずに自分の道を進んでいく成瀬の姿は健在。くすっと笑えて、読み終わるこ... -
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森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』レビュー|憧れの夏が詰まった1冊
ある日、空き地にペンギンが現れる――。『ペンギン・ハイウェイ』は、そんな不思議な出来事をきっかけに始まる、ひと夏の物語です。 郊外の町に突然現れたペンギンと、謎めいた歯科助手のお姉さん。小学4年生の「ぼく」は、その不思議を“研究”という名の冒... -
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原田マハ『キネマの神様』レビュー|読後に映画を観たくなる奇跡の物語
少し人生に疲れてしまった。そんな方にそっと寄り添う物語、それが原田マハ『キネマの神様』です。 映画とギャンブルに夢中な父、会社を辞めた娘。うまくいかない日々を抱える親子が、映画をきっかけに再び歩き出していく姿が温かく描かれます。 映画を通... -
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万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』レビュー|ちょっと不思議で優しい世界に浸れる物語
小学生のかのこちゃんと、誇り高い猫・マドレーヌ夫人が織りなす、優しさとユーモアに満ちた万城目ワールド。成長する少女のまなざしと、動物たちとの絆、そして少し不思議な出来事が重なり合い、読み進めるほど心がじんわり温かくなる物語です。 本記事で... -
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宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』レビュー|きっとあなたも成瀬の虜になる
滋賀を舞台に、我が道を迷いなく突き進む少女・成瀬あかりの姿を描いた『成瀬は天下を取りにいく』。最初は“くすくす笑える青春小説”と思いきや、読み進めるほど温かさと切なさが胸に残る1冊でした。 関西ならではの空気感や、コロナ禍の閉塞した日々を照... -
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中山七里『総理にされた男』レビュー|「政治ものって面白い」と思わせてくれた一冊
今回紹介するのは「総理にされた男」。総理大臣の替え玉という突飛な設定から始まる物語で、政治なんて難しそう…と思っていた私に、「政治ものってこんなに面白いんだ」と思わせてくれた一冊です。 権力の裏側や人間ドラマがスリリングに描かれ、まるで政... -
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恩田陸『ドミノ』レビュー|バラバラな人々の運命が交差する痛快群像劇
恩田陸の『ドミノ』は、東京駅を舞台に“まったく関係のなさそうな人々”の行動が次々と連鎖し、大騒動へと発展していく痛快パニックコメディ。久しぶりに読み返したところ、やっぱり面白い!と再確認できた一作でした。 登場人物の思惑が少しずつつながり、...
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