恋愛、結婚、離婚、そして一人の時間。女性として生きていると、どの選択が正しいのか分からなくなる瞬間があります。特に40代を迎えると、若い頃とは違う複雑さを感じることも。そんな気持ちを抱えている方に、今回ご紹介する一冊が心に響くかもしれません。
『マリエ』作品情報
| 作品名 | マリエ |
| 著者名 | 千早茜 |
| ジャンル・雰囲気 | 現代小説・女性文学 |
「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
新直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。
桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
「あんたもこれから恋愛できるわね」、行きつけのワインバーでよく遭う年かさのかっこいいマキさんはそう言うが、まりえにはその気はない。駆け引きも探り合いも億劫だし、今のからだを見せる羞恥が性欲を上回る。なにより、すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないのだ。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。
ひょんなことで懐いてきた由井君が粉料理を教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、物事の受け止め方に7つの歳の差を感じるばかりだ。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録をした。そこで見聞きする世界は、思いもよらないものだった。マリッジコンサルタントに、紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な「現実」や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、まりえは考え続ける。自分が人生に求める幸せとは何なのか。
若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。
引用:Amazon
『マリエ』を読んだきっかけ
この作品を手に取ったのは、SNSで話題になっているのを目にしたからです。直木賞作家の千早茜さんの作品ということもあり、どんな物語なのか気になって読んでみました。
『マリエ』の感想
女性として生きるって、なんでこんなにも悩みが尽きなくて、こんなにも難しいのだろう。読み進めるうち、そんな思いが心に湧いてきました。普段見て見ぬふりをしている部分にちくちくと刺さってくる作品です。
だけど、そんなチクチクだけじゃなくて、まりえの生き方にいいなぁと思うところや、キュンキュンするところも。離婚を機に始まった一人暮らしの様子にはワクワクするし、由井くんとのやりとりには思わず胸がときめきます。年下の彼との関係性は、読んでいて微笑ましくなる瞬間が多々ありました。
キーアイテムとして香水が出てくるのですが、その描写がとても素敵で、普段あまり香水をつけない私も香水を買いたくなりました。まりえが自分自身と向き合う過程で、香水が重要な役割を果たしているのも印象的です。
『マリエ』はこんな人におすすめ
- 離婚や別れを経験し、これからの人生について考えている方
- 恋愛や結婚について悩みを抱えている方
- 一人の時間を大切にしながらも、どこか寂しさを感じている方
自分らしく生きることの意味を改めて考えたいという方におすすめの作品です。
まとめ
『マリエ』は、女性として生きることの複雑さを真正面から描いた作品です。時にはチクチクと心に刺さる場面もありますが、それ以上にまりえの等身大の姿に勇気をもらえます。
読み終えた後、きっと「私も自分らしく生きていこう」という気持ちになるでしょう。迷いや不安を抱えながらも前向きに歩んでいく主人公の姿が、読者の背中をそっと押してくれる温かい物語です。
