MENU

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』レビュー|きっとあなたも成瀬の虜になる

宮島未奈『成瀬は天下をとりに行く』レビュー|きっとあなたも成瀬の虜になる

滋賀を舞台に、我が道を迷いなく突き進む少女・成瀬あかりの姿を描いた『成瀬は天下を取りにいく』。最初は“くすくす笑える青春小説”と思いきや、読み進めるほど温かさと切なさが胸に残る1冊でした。

関西ならではの空気感や、コロナ禍の閉塞した日々を照らすような成瀬の行動力に、切なくなったり心が温まったり。読み終えるころには、きっとあなたも成瀬の虜になっているはずです。

目次

『成瀬は天下を取りにいく』の基本情報とあらすじ


作品名成瀬は天下をとりに行く
著者名宮島未奈
ジャンル・雰囲気青春×ユーモア×ちょっぴり切なさの爽やか連作短編集
あらすじ

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。 各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説! 2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。 コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。 M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。 今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。 発売前から超話題沸騰! 圧巻のデビュー作。

引用:Amazon

『成瀬は天下を取りにいく』を読んだきっかけ

2024年の本屋大賞作品として、本屋さんの平置きでもよく見かけてはいたのですが、なかなか手に取るタイミングがなく、気付いたら続編も出ていて人気なんだなぁなんて思っていました。

そんなとき、12月のKindle Unlimitedの対象作品を確認していると「成瀬が天下をとりに行く」の文字が…!これはチャンスだとライブラリに入れて、さっそく読みだした次第です。

『成瀬は天下を取りにいく』の感想

最初はただくすくす笑える話だと思っていたら、読み進めるうちに、温かいような切ないような余韻が残りました。関西人として共感してしまう滋賀あるあるに笑いながらも、コロナ禍で何もできなかったあの時期に、まっすぐに自分のやりたいことを貫く成瀬の姿には、ふっと胸が熱くなる瞬間があります。

成瀬だけでなく、幼馴染やクラスメイトなど、周囲の人物たちも皆魅力的で読み進めていくうちに、どのキャラクターにも自然と愛着が湧いていくのがわかりました。

読み終えるころには、少し滋賀に行ってみたくもなり、気付けば成瀬の魅力の虜に。もっと早く読んでおけばよかったなと思える作品でした。

すぐに読み終えてしまい、もう成瀬が恋しいので続編も近々読もうと思っています◎

『成瀬は天下を取りにいく』はこんな人におすすめ

  • 元気になれる物語を読みたい人
  • くすくすと思わず笑みがあふれる物語が好きな人
  • ありふれた日常のような青春小説を読みたい人

冒頭からくすっと笑みがこぼれてしまう本作品。元気になりたい人、心温まりたい人にぜひ読んでいただきたいです。

ちなみに今ならKindle Unlimitedで読めます◎30日間は無料体験ができるので、「ちょっと読んでみようかな」という方はぜひ試してみてください。

まとめ

成瀬が我が道を進む様子をさまざまな登場人物の視点から描かれる「成瀬は天下を取りにいく」。ただ、笑える話と思いきや、コロナ禍で思うように青春を過ごせない様子など、ちょっと胸がきゅっと切なくなる、そんな作品でした。

読んでみれば成瀬の虜になること間違いなし。さくっと読める作品なので、ぜひ手に取っていただきたいです◎


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1996年生まれ、関西育ち。法律事務所で働きながら、Webライターとして活動しています。
読書と観劇、ダンスが好きで、エンタメは人生の生きがい。
中学生の頃に図書委員として書いた本の紹介文をきっかけに、本を誰かに届ける楽しさを知りました。
このブログでは、心に残った小説を中心に感想を綴っています。

目次