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宗田理『ぼくらの七日間戦争』レビュー|色褪せないワクワクと憧れが詰まった1冊

宗田理『ぼくらの七日間戦争』レビュー|色褪せないワクワクと憧れが詰まった1冊

「もし子どもたちだけで大人に立ち向かうとしたら?」

そんなワクワクする問いに、真正面から挑んだジュブナイルの金字塔が『ぼくらの七日間戦争』です。1985年の初版から長く愛され続けるこの作品は、昭和の空気を色濃くまといながら、時代を超えて読者の心をつかみます。

笑えて、ドキドキして、そして少し考えさせられる——子どもだけの“革命”に、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。

今回の記事では、本作の魅力や再読して見えてきた気づき、おすすめしたい読者像などをお届けします。

目次

『ぼくらの七日間戦争』の基本情報とあらすじ

作品名ぼくらの七日間戦争
著者宗田理
出版社/発売年角川書店/1985年初版
ジャンル・雰囲気青春×冒険のワクワクが詰まったジュブナイル小説。自由と反抗心をテーマに、笑えてドキドキする展開が続く「少年たちの一大プロジェクト」もの。
あらすじ

1年2組の男子生徒が全員、姿を消した。河川敷にある工場跡に立てこもり、体面ばかりを気にする教師や親、大人たちへ“叛乱”を起こす! 何世代にもわたり読み継がれてきた不朽のシリーズ最高傑作。

引用:Amazon

『ぼくらの七日間戦争』を読んだきっかけ

本当に初めて読んだのは小学校高学年か中学生の頃で、父が「これ面白いよ」とおすすめしてくれたのがきっかけでした。それからも何度か学生時代に読み返した覚えがあります。

それから早数年。本ブログの「About Me」の記事を制作する際に、そういえば最近読んでないなと思い、本棚から引っ張り出して、練る前のお供にしました。

『ぼくらの七日間戦争』がくれた気持ちと気づき

ネタバレにならない内容となっていますが、まっさらな状態で楽しみたいという方はご注意ください。

昭和の空気が色濃く漂い、「こんな体罰だらけの学校生活は嫌だな」と思いつつも、夏休みに子どもたちだけで大人に反旗を翻し、工場跡に立てこもるという舞台設定には、やはりロマンや憧れを感じてしまいます。

読んでいると自然とわくわくしてきて、何度読んでも続きが気になり、ページをめくる手が止まりません。スマホもネットもなかった時代に、子どもたちが自分たちの知恵だけで大人に立ち向かう姿は、見ていて本当に爽快です。

子どもの頃は「面白い!」という感想一択でしたが、大人になった今読むと、昭和の学生運動の空気感や、戦後の社会の余韻のようなものも感じ取れて、全く別の角度から作品を楽しめることに驚かされます。

名作と呼ばれるものは、読む年齢や時代によって見え方が変わっても、変わらず心を動かす力があるのだと、あらためて実感しました。

『ぼくらの七日間戦争』はこんな人におすすめ

  • リスト子どものころの冒険心を思い出したい大人の方
  • 昭和のジュブナイル小説が好きな方
  • 自由や仲間との絆をテーマにした物語が好きな方

とくに、理不尽なルールにモヤモヤしている人にとっては、「こんな方法で立ち向かうのか!」と胸がすく1冊です。

まとめ

『ぼくらの七日間戦争』は、子どもたちが自分たちの力で理不尽な大人社会に立ち向かう、痛快で爽快な青春冒険小説です。

初めて読んだときのわくわく感はもちろん、大人になった今では、昭和という時代背景や社会のひずみにも目が向き、新たな発見がありました。読む年齢や環境によって、異なる味わい方ができるのが、本作の真の魅力かもしれません。

時代が変わっても色あせない“反抗と友情”の物語を、ぜひ手に取ってみてください。忘れていたあの頃の気持ちを、きっと思い出せる1冊です。

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この記事を書いた人

1996年生まれ。関西育ち。法律事務所で働くかたわら、Webライターとしても活動中。
読書と観劇とダンスが大好きで、エンタメが人生の生きがい。中学生の頃に図書委員として書いた本の紹介文がきっかけで、「誰かに本を届けること」の楽しさに目覚めました。
このブログでは、自分が本当に面白いと思った小説を中心に、感想や思い出を交えながら紹介していきます。
このブログが、ほんの少しでも物語の入口になりますように。

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