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恩田陸『spring』レビュー|天才の生きざまに圧倒される、息をのむ傑作

恩田陸『spring』レビュー|天才の生きざまに圧倒される、息をのむ傑作

天才の頭の中を、のぞいてみたいと思ったことはありませんか。あの人はいったい何を見て、何を感じながら、あんなものを生み出しているのだろう——そんな問いを抱えながらページをめくるうちに、気づけば胸がどきどきしていました。

1人の天才の生きざまを間近で目撃するような、そんなスリルと興奮がある1冊をご紹介します。

目次

『spring』のあらすじや作品情報


作品名spring
著者名恩田陸
ジャンル・雰囲気芸術小説・天才を描いた長編
あらすじ

「俺は世界を戦慄せしめているか?」
自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。
一人の天才をめぐる傑作長編小説。

引用:Amazon

『spring』を読んだきっかけ

『チョコレートコスモス』や『蜜蜂と遠雷』でさまざまな天才を描いてきた恩田陸先生。そんな恩田先生が構想・執筆に10年を費やしたバレエ作品と聞いて、ずっと気になっていました。

そこへkindle unlimitedに登場したのを発見(2026年4月時点)。読まなきゃいけない本も溜まっていたけれど、我慢できずに読んでしまいました。

『spring』の感想

ストリートダンスとはいえ、ダンスをずっと続けてきた私には、感情移入がとまらない作品でした。天才の頭の中をそっと覗き見しているような感覚。あらゆる芸術を吸収して、音楽と一体になって、神に捧げる——そんな境地に、私もいつか届いてみたいと、心の奥からそう思いました。

なかでも特に胸に刺さったのが、七瀬ちゃんの存在です。指揮をしながら無意識に踊ってしまう彼女の姿に、思わずくすくすとしてしまったり。ただ、指揮の経験はないけれど、私も指揮をしていたらきっと同じようになってしまうだろうな、と他人事には思えませんでした(笑)。

春ちゃんはたしかに天才で、もともとの素質があったのだと思います。でも、いろんな出会いや経験が絡み合ってはじめて、唯一無二のダンサーが生まれたのだということを、ページをめくるたびに感じていました。読み終えたとき、なんだか無性に踊りたくなっている自分がいました。

『spring』はこんな人におすすめ

  • 芸術や創作活動に情熱を注ぐ人の心境を知りたい人
  • 何かに夢中になる気持ちを思い出したい人
  • 天才の内面を丁寧に描いた物語を読みたい人

天才の物語が読みたい人に大変おすすめの作品です。

まとめ

『spring』は、天才ダンサー萬春の人生を通して、芸術への情熱とは何かを教えてくれる作品です。読み終えた後、きっと何かに夢中になりたくなる。自分の中に眠っている情熱を呼び覚ましてくれるような、そんな力強いエネルギーを感じられる1冊です。


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この記事を書いた人

1996年生まれ、関西育ち。法律事務所で働きながら、Webライターとして活動しています。
読書と観劇、ダンスが好きで、エンタメは人生の生きがい。
中学生の頃に図書委員として書いた本の紹介文をきっかけに、本を誰かに届ける楽しさを知りました。
このブログでは、心に残った小説を中心に感想を綴っています。

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