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寺地はるな『ぬすびと』レビュー|時がたたないとわからないことがある

寺地はるな『ぬすびと』レビュー|時がたたないとわからないことがある

心の支えになる思い出は、確かに存在する。寺地はるなさんの『ぬすびと』は、二十年という月日を経て再びつながる三人の物語です。

別れの痛みも、再会の喜びも丁寧に描かれていて、読んでいるうちに自分の心も少しずつ温かくなっていきました。時がたつことは、決して悪くない——そう思わせてくれるこの物語を、ぜひあなたにも読んでほしいです。

目次

『ぬすびと』作品情報

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作品名ぬすびと
著者名寺地はるな
ジャンル・雰囲気家族小説・再生の物語
あらすじ

かつて喫茶店で働いていた鳴海は、菓子メーカーの創業一家・南雲家から子守役として雇われる。そこで出会ったのは、気難しい少年の栄輝と、美しい年上の奥様・彌栄子だった。次第に心を通わせていく三人だったが、ある出来事をきっかけに、彌栄子から「二度と会わない」と鳴海は突き放され、関係が途絶えてしまう。

それから二十年。大人になった栄輝から、ある日突然「母がそちらに行っていませんか」と電話が掛かってきて……。

きっと、ページをめくるたび、あなたは力を取り戻していく。傷も時間も刻んだ体で、どこまでも自由に踊り出すための物語。

引用:Amazon

『ぬすびと』を読んだきっかけ

この作品は、ツナグ図書館を通じてご恵贈いただいた1冊です。

同じくツナグ図書館からいただいた『リボンちゃん』がとても素敵な作品だったので、寺地はるなさんの新しい物語もぜひ読んでみたいと思い、お請けしました。

この度は素敵な機会をいただきましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。

『ぬすびと』の感想

心の支えになる思い出というのは、確かに存在する。南雲家で過ごした日々は、鳴海、栄輝、彌栄子の3人にとって、とても大切な思い出だったのだと感じられました。

20年という月日は、いろんなことを変えてしまう。いろんな傷を負うこともある。でも、時がたたないとわからないこともあって、時がたつことも決して悪くない。むしろ、時間が経つからこそ見えてくる真実や、癒える傷もあるのだと、この物語を読んで改めて思いました。

別れの痛みも、再会の喜びも、すべてが丁寧に描かれていて、読んでいるうちに自分の心も少しずつ温かくなっていく作品です。

『ぬすびと』はこんな人におすすめ

  • 過去の出来事や人間関係で心に傷を負い、前に進めずにいる人
  • 家族や大切な人との関係に悩みを抱えている人
  • 時の流れとともに変化する人の気持ちを丁寧に描いた物語を読みたい人

まとめ

『ぬすびと』を読み終えた後、きっとあなたの心にも小さな変化が生まれているはずです。過去の痛みが完全に消えることはないかもしれないけれど、それでも前に向かって歩いていく力を、この物語は静かに与えてくれます。

時間の重みや優しさを感じたい方に、心からおすすめしたい1冊です。

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この記事を書いた人

1996年生まれ、関西育ち。法律事務所で働きながら、Webライターとして活動しています。
読書と観劇、ダンスが好きで、エンタメは人生の生きがい。
中学生の頃に図書委員として書いた本の紹介文をきっかけに、本を誰かに届ける楽しさを知りました。
このブログでは、心に残った小説を中心に感想を綴っています。

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